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Owner’s Manual
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POWER MODE
[6] スイッチを
ON
にして(フロントパネ
ルの電源スイッチ [9] が押し込まれている場合)AC 電源
を供給し始めると、電源と内部の回路とが安定するまで
の間、ミュート回路が動作します。およそ 4 秒後、ミュー
トは解除され、HR624 MK2 は通常動作を開始します。
8. パッシブラジエーター
スピーカーを筐体にマウントした場合、コーンの後部か
ら放射されるエネルギーの扱い方には、二通りの方法があ
ります。すなわち、スピーカーシステムの低域パフォーマ
ンスを強めるためにそのエネルギーを利用する(ベースリ
フレックスシステム)か、吸収してしまう(アコースティッ
クサスペンションシステム)か、のどちらかです。
• ベースリフレックスシステムは、後方放射を使って低域
レスポンスを拡張します。多くのシステムは、キャビネッ
トの前部または後部に穴(ポート)を備え、後方放射の
音波をそこから放出する仕組みになっています。穴に
チューブ(ダクト)が備わっている場合もあります。穴
の大きさとキャビネットの容積とが、ウーファーの特性
と相まって、低域を増強する仕組みです。こういったシ
ステムには、設計において想定された –3 dB の周波数に
至るまで良好な低域レスポンスが得られる、という特長
があります。その下の帯域では、周波数特性はオクター
ブにつき 24 dB あるいはそれ以上のカーブで落ちます。
HR624 MK2 はベースリフレックス 6 次オーダーシステ
ムを採用しています。ポートや通気口の代わりにパッシブ
ラジエーターを装備しています。これは充分な質量を持つ
平面ピストンであり、エンクロージャー内部に閉じ込めら
れた空気の圧力によって動きます。キャビネットのリアパ
ネルの内側、パワーアンプアッセンブリーの裏に装着され
ているのでパッシブラジエーターを見ることができませ
ん。
• シンプルなポートやダクトは、構造上、それらを通る気
流の速度が音速の 5%を超えない範囲に納まり、大きな
信号レベルのときに通気口がヒューヒューと呼吸のよう
な音をたてないよう、充分な面積を取る必要があります。
• この「充分な面積」という必要性により、ポートの場合
には設計上の課題が生じます。ポートがうまく納まるよ
うな充分なスペースをエンクロージャーに確保しなけれ
ばなりません。
パッシブラジエーターは、一般的なスピーカーシステム
に見られるポートにとって替わるものです。シンプルな
ポートよりも優れたいくつかの点があります:
• パッシブラジエーターの第一の利点ですが、シンプルな
ポートやダクトに比較して、低域再生に歪みが少なく、
より大きな音圧(SPL、サウンドプレッシャーレベル)
を稼ぐことができます。
• HR624 MK2 では、独自の設計によるパッシブラジエー
ターのフラットなダイアフラムが、放射表面に例外的な
剛性を実現しています。
• 楕円形をしたパッシブラジエーターは、エンクロー
ジャーの後面で利用可能な部分のほとんど全体を覆う面
積を持っており、ポートを使う場合よりも大きな体積の
空気を動かすことが可能です。